Hope Tech レバーの分解

ドライの富士見で自転車丸々細かい砂まみれになったのが原因でしょうが、HopeのTechレバーのシールからキュキュという音がするようになったので、オーバーホールしてみました。情報がほとんどありませんが、意外とシンプルな構造なので簡単でした。写真は見易くなるようシャドウを明るくしてあります。

 

必要な工具は以下の通り。

2mm六角レンチ

3mm六角レンチx2

T10 Torx(いじり止め穴付)

ピック(先のとがったもの)

 

まずはレバー全景。

Hope Tech Brake Lever Rebuild 

 Hope Tech Brake Lever Rebuild

上下共通の構造です。通常のバージョンとノブが緑のSpecial Editionとは若干ピストンを押すパーツの形が違っています。StealthはV2レバーという事でしょうか。2014モデルはV3として全く違う形になるので、この上下対称のリザーバーも見納めです。

Hope Tech Brake Lever Rebuild

まずはピボットボルトを抜きます。カムにある2mmのイモネジを緩めた後、ピボットボルトを緩めれば抜けます。ちょっと引っかかりますが、固い場合は薄いスパナなどを使っててこの原理で抜きましょう。スプリングが飛び出す場合があるのでウエスなどで包んで作業すると安心です。

Hope Tech Brake Lever Rebuild

マスターシリンダーのピストンがこちら。いじり止めのT10トルクスを抜けば、Cクリップの要領で外せます。先にリザーバーを空にしない場合、ここで一気にフルードが抜けます。できればピストンは上向きに抜きましょう。Hope Tech Brake Lever Rebuild

バラバラにしました。右上のバネの付いた棒がピストンです。右のはリザーバーの蓋とダイアフラム。左にレバー関係が置いてあります。OHならここまでで良いでしょう。

組み直すのはさほど難しい事ではありません。念のためシール(ゴム)のパーツにはサスペンション用グリスを塗っておきましたが、シリコン系のグリスでも良いでしょう。フルードに悪影響を及ぼさないものにしましょう。

Hope Tech Brake Lever Rebuild金の部分が真鍮のパーツで、これをバネが押す事でダイヤルのクリック感を生んでいます。よって、バネはこの円形の溝にはまった状態になります。

 Hope Tech Brake Lever Rebuild

組み上げ後、ハンドル側から見た図です。あとはブリーディングすれば完了。AvidのレバーのOHとさほど変わらないぐらいの難易度です。複雑そうですが、意外とシンプルな構造で部品点数も少なめ。良い設計だと思います。

 

OH後はひとまず問題なく動くようになりましたが、Cクリップで留めてあるゴムのシールは癖が付いていた為再利用は難しいように感じました。ピストンのシールは1年の使用では全く傷んでいませんでしたが、最外部のシールはOHするなら交換しておいた方が良いでしょう。

Rockshox Vivid Air R2Cに換装

Fox Van RCが不調なので、興味本位でDH用のエアサスであるRS Vivid Air R2Cに交換してみました。

Rockshox Vivid Air R2C

本来重量が軽いエアサスですが、ここまでのサイズになるとその差も大きく、Van RCに比べてマイナス240gとなる577gでした。サドル1個丸ごと無くなったのと同じ計算になります。

 

機能はR2Cなのでリバウンド2系統とコンプレッションです。Rockshox曰く、ベースとなるセッティングは6-3-3であり、左からビギニングリバウンド、エンディングリバウンド、コンプレッションとなっているそう。ビギニングがストロークの最初の25%ぐらい、エンディングが残りを制御しているようですが、つまりはビギニングはサグの中に入ってしまうので、乗っている途中に主に感じるのはエンディングリバウンドという事でしょうか。コンプレッションは多分ロースピードの事です。ゆっくりした無駄な動きを減らす役割がありますが、元々エアサスはシールの抵抗である程度擬似的なロースピードコンプレッションが掛かっているので、そこまで強くしなくても(標準の3クリック)コイルに比べるとしっかりと聞いているように感じます。

 

サグは28%、体重70kgで190psiですが、純正エアポンプを使用する場合はポンプを外す際に10psiほど抜けるらしいので、実質内部の圧は180psiという事になります。次回前の圧より10psiほど上げようと思うと最終的には20psi加圧しないといけないので、結構調整は大変です。

 

ゲレンデで使用していないので何とも言えませんが、感触は悪くありません。ショックの吸収も問題なし。コイルのフワッとした乗り心地は無くなってしまいましたが、軽量で調整機構も多いのでしばらく使ってみて結論を出そうと思います。

 

 

Pinarello Dogma Discが登場

2014モデルのPinarello Dogmaのディスクブレーキ仕様が発表されました。イタリアンバイクですが、Sram Red 22 HydroにVisionのカーボンホイールが付いていますね。ちょっと新鮮です。

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http://www.bikerumor.com/2013/05/22/pinarello-dogma-disc-brake-road-bike-coming-for-2014/

ONDAフォークがディスクブレーキの制動力に耐えられるよう強化されているように見えるのは気のせいでしょうか。ヘッド周りの強化はもちろんの事、フォークも高強度になるので見た目が変化するブランドもありそうです。Cervelo Rシリーズの極細シートステーは間違いなく廃止でしょうから、乗り心地にも影響が出そうです。

あとは、カーボンリムにブレーキトラックがある点ですが、Sramと同時に完組をリリースしているZipp含め、当分はリムブレーキ用カーボンリムを流用する方向で進んでいるようです。目下各社開発中でしょうが、2014モデルでディスクブレーキロード専用カーボンリム搭載の完組ホイールは難しそうですね。となると、ディスクブレーキロードが真価を発揮できるのは2015以降でしょうか。ISPのように一時のブームで終わるか、その頃になればはっきりしているでしょう。

 

個人的にはスルーアクスルの方が有用、若しくはディスクブレーキとセットで導入されるべきだと思うのですが、そういった話は聞きませんね。リジッド29er用のスルーアクスルフォークはあるので流用してくる工房とかありそうですが。

 

 

Q-Factorとクリートセッティング

ロードのビンディングに於いて、Q-Factorの存在は無視できないものです。特にサドル高が低い場合はQ-Factorの幅は非常に重要なポイントで、狭めるために試行錯誤をしている人もいる程です。

私はトーアウトの設定なのでQ-Factorはそこそこ広く、これに関しては悩んだことはありませんが、クリートを左右同じ幅にセットしてもなぜか違和感。左右の足が全然違うので当たり前といえば当たり前ですが、それとは違った、絶対的な違和感でした。右足がなぜか内側寄りに感じていたわけですが、どう考えても左右で条件を揃えているので、本来出るはずがありません。

しかし、良く考えてみると、根本的なところに一つ見落としがありました。ペダル自体の、センターからの距離です。クランクはプリロードを掛けて締める上、68mmと73mm対応、というのが普通です。汎用性を持たせる代わりに、少々誤差が出る可能性は十分あります。つまり、まずは何よりも最初にペダルがきちんと左右同じ距離にあるか測らなければいけない、という事です。

 

現に、Ceramic Speed 68mm + Sram Red GXPの組み合わせで、右側の方が1.5mm内側に入っていました。これは違和感を感じていた点と全く持って一致しています。1.5mmと比較的少ないため、ペダルワッシャーを挟んで右を1.5mm外に出しました。これで左右一致しています。

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実際に乗ってみましたが、右足が若干外側に寄ったのは良く分かりました。ちょっとQ-Factorが広くなりすぎたので、左右に元々1枚入れていた1mmのワッシャーは抜いてみる事にします。

Timeのペダルはラテラルフロートがある分Q-Factorを任意に調整できない(外と内の2通りのみ)ので、ワッシャーなどで少しずつ調整してあげる必要があるのは不便ですね。

ディスクブレーキとロードバイク 番外編-Sram Red Hydraulic-

ディスクブレーキロード関連の検索で非常に沢山の方がここに辿り着かれているようなので、できるだけタイムリーなうちに更新しておきます。「ディスクブレーキ ロードバイク」で検索するとGoogleでもYahooでも一番上にこのブログが来るみたいなんですよね。

 

少し前にSram Redの11速コンポと油圧システムが発表されました。11速化で大幅に出遅れた教訓からか圧倒的に速く油圧システムに対応しましたが、価格や重量などこれからの油圧システム化で必要になってくるデータがてんこ盛りなので、分かり易いようまとめてみます。

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http://www.bikerumor.com/2013/04/15/sram-22-unveiled-all-new-red-force-11-speed-road-groups-tech-weights-first-rides/

何と言ってもまずは重量です。Double-Tapは構造的に非常に軽量で、ワイヤードブレーキの場合は280g程度に収まりますが、油圧システムの場合はマスターシリンダーやリザーバーを内蔵するため重くなるのは当然で、キャリパー+ホース+レバーで326gとなっています。ただし、写真の通りホース長が有り得ない短さなので、実際はフルードの重量も合わせるとかなり増加することは間違いありません。まだユニット重量しかデータが見つからないのが残念です。

前後のブレーキユニットの重量が平均350gとすると、前後で700g、これに上のローターの86gが加わるわけですが、これもボルト6本の重量が抜けているので、その分を足して1枚100gとします。その結果、片側450g、前後で900gとなります。仮にワイヤードレバーと使用したと仮定するとマイナス280g、ワイヤーは重く見積もっても100g程度なので、何と片側で260gもあるキャリパーブレーキを使用しているのと同等となります。

Ciamillo Negative GSL w/ Corima Absolute

実際は250gのキャリパーでも随分重いと思っています。Sub200のキャリパーも多いですし。

キャリパーブレーキを使用した場合、レバー280g、ワイヤー100g、キャリパーは前後で250g程度ですから、合計は630gで収まります。重量面では、やはり油圧システムはワイヤードに比べると大幅に重量が増える事が良く分かります。

 

次に価格ですが、Red 22 Hydraulic Shifter/Caliperが片側$561ドル、HS1 Rotorが1枚$44です。対するワイヤードのRed 22 Shift/Brake Leversetが$625、Red Aero Link Calipersetが$368となっています。つまり、油圧vsワイヤードの価格は

油圧ディスクブレーキ:($561+$44)x2=$1210

ワイヤードキャリパーブレーキ:$625+$368=$993

と、ワイヤードに比べて122%アップとなっています。思ったよりは大きな差ではありませんが、かなり高価であるのは間違いありません。

 

今回の新Red 22の発売から分かる事は、どうしようもない重量差があり、価格はワイヤードより高価になる、という事でした。発売前から懸念していた事ですが、やはり現時点では油圧ディスクブレーキ化するという事はこういったネガティブな面を受け入れる必要があるという事になります。これから開発が進んでブレーキユニットが軽量化されたり、リムが軽くなったりするかもしれませんが、私は基本的にはこの傾向は変わらないと思っています。

ディスクブレーキとロードバイク 性能編

随分間が空きましたが、ディスクブレーキロードの性能について考えてみます。

 

メディアで取り上げられるのは、主に

1.ブレーキトラックの削減によるリム外周部の軽量化

2.雨天での制動力

3.ブレーキタッチの改善

とこの辺りだと思います。当然ですが、これは全てディスクブレーキ化した場合のメリットです。デメリットは触れられていません。ひとまず、挙げたメリットを見ていきましょう。

まず1についてですが、これは疑うまでもなく明確なメリットです。放熱性などの問題を抱えていたカーボンリム、特に構造上ブレーキトラック周りを強化しなければならないカーボンクリンチャーリムは圧倒的に軽くなると思われます。チューブラーはいずれにせよ必要な部分にブレーキトラックがあるので、軽くなるにしてもさほど劇的には変わらないような気がします。

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http://www.bikerumor.com/2012/06/24/stans-notubes-adds-disc-brake-road-cyclocross-wheels-plus-wider-crest-ex-rims-more/

アルミリムはStan'sがディスクブレーキ用の700cリムを出しています。シクロクロス用でInternal Widthが19mmと若干幅広ですが、重量は385gと比較的軽量です。同社のロード用リムが17mm幅で385gなので、リム幅+3mmで同重量というのは、比較的分かり易い指標になると思います。ただ、リムハイトが違うので全く同じ条件ではありません。

 

今の所本気で設計されたロード用のディスクブレーキリムは無いと思いますが、ブレーキトラックを廃する事でできる軽量化は現時点では未知数と言って良いでしょう。サイドウォールからブレーキトラックが無くなったとしても、ビードを引っかけるための強度やリム自体の剛性に影響してくるため、あまり過激な軽量化はできないと思います。ただ、放熱関係が一切なくなるカーボンリムではアルミよりも大きな変化があると考えられます。

 

次に2.ですが、これは常々疑問に思っている所で、確かに雨天でも効く事は効きますが、その代り盛大に音鳴りするのがディスクブレーキです。MTBをやっていれば、ディスクが濡れると音が出るのは割とメジャーな事象です。それに、ディスクが濡れれば制動力は落ちます。雨でもバッチリ!というのは、ロードが専門でろくにディスクブレーキ付きの車両に乗った事が無い人の妄想としか思えません。ローター径203mmにメタルパッド付4ポッドキャリパーでさえ、濡れると効きが落ちるのに、140mmローターの軽量キャリパーで雨天でもしっかり効くとは思えない、というのが個人的な感想です。もちろん各社専用パッドなどである程度は対策をするとは思いますが、雨天でも問題ないというのは少々言い過ぎではないでしょうか。

また、ディスクブレーキの制動力と雨天時のロード用タイヤのグリップのバランスについても良く考える必要があります。いくらブレーキが効いても、グリップしなければ意味がありません。その辺りはタッチが良くコントローラブルな油圧の特徴がカバーできると思いますが、効きだけを前面に押し出した宣伝は少し考えが浅いと思います。

 

最後に3.ですが、これは恐らく誰でも享受できるメリットです。油圧のタッチはワイヤー式に比べると圧倒的で、引きは軽くコントロールもし易く感じます。もちろん味付け次第ではコントロール性は変わってきますが、タッチが良くなるのは間違いないでしょう。

 

ただ、油圧の負の面としては、管理が面倒な点があります。

当然ですが、油圧なのでブリーディングが必要です。基本的には買ってきてポン付けは出来ませんから、ブレーキと合わせてブリーディングキットを購入するか、ショップに依頼するしかないでしょう。そう高いものではありませんが、ワイヤー式ブレーキには必要ない作業・パーツが必要になってきます。また、ホースがフレーム内蔵になれば、ブレーキを外す度にブリーディングする事になります。ポジション変更などでホースが足りなくなれば、高価なホースを丸ごと交換する事になります。フルードには寿命がありますから、最低でも年1回はフルードを入れ替えなければなりません。

そう、油圧は面倒なんです。そして、何かとトラブルが起きます。

私が今まで使ってきたブレーキは、大抵何かしらのトラブルが起きています。シマノのXTとZeeは特定箇所からのオイル漏れでレバー交換、Hopeはリザーバータンクからオイルが漏れてシールを数回交換(初期不良)、ととにかくトラブルが起きます。使い方云々もありますが、シマノの人曰く油圧ブレーキは非常に繊細なので、どうしてもこういった不良が出易くなるそうです。

これが、油圧をあまり得意としないメーカーが作ったとしたらどうでしょうか。不良のオンパレードになる可能性は十分にあります。シンプルなロードが非常に面倒な物になってしまわないか、と心配しています。

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先日Sramの新Redが発表されたので、別記事で価格等を見てみる事にします。

ゲレンデのオープン状況

そろそろ各地のゲレンデがオープンするシーズンです。こういう事を言うとスキーもう終わったじゃんとか言われますが、違います。通称グリーンシーズンと呼ばれるMTBコースの事です。

 

天下の富士見パノラマは4月末にはオープンしていました。5月末に1回行ってきます。やはり、満足感はパノラマが一番ではないでしょうか。8kmも連続で下れば誰でもお腹一杯だと思います。

隠れ人気スポット、日本のWhistler Bike Parkとも呼ばれる福井和泉(http://blogs.yahoo.co.jp/dr0910dh/MYBLOG/yblog.html)はブログによると5/15オープンだそうです。公式がこのブログしかなく、いつからいつまで何曜日にやっているのか分かり辛いですが、とりあえずオープン日は確定。去年が11月末までやってたようなので、今年こそ行きます。

福井和泉の目と鼻の先になるのがウイングヒルズ白鳥(http://winghills.net/green/mtb/)です。ここはまだやる気が無いのか2013のスケジュールは出ていませんが、去年は6/9からだった模様。9月には閉鎖されるので、わずか3か月しか開いていません。コースは高低差480mと結構楽しめそうな感じですね。

関西圏だと唯一?になるのが朽木MTBパーク(http://main.846.info/)です。もう開いているようで、基本的には846Projectがどこかでイベントをしていない土日に開いています。何度か行きましたが、気軽に楽しめるので近場の人にはお勧め。滋賀県南部からだと2時間弱ぐらいで着きますが、福井和泉やパノラマが近い人はわざわざ来るほどではありません。

 

今年は10回ぐらいは行きたいなと思っています。とりあえずパノラマから始まり、朽木をベースに活動しつつ泊まりで福井和泉&ウイングヒルズを連続、なんて面白そうです。風邪も治ったので本格稼働まであと少し。楽しみです。