ディスクブレーキとロードバイク 番外編-Sram Red Hydraulic-

ディスクブレーキロード関連の検索で非常に沢山の方がここに辿り着かれているようなので、できるだけタイムリーなうちに更新しておきます。「ディスクブレーキ ロードバイク」で検索するとGoogleでもYahooでも一番上にこのブログが来るみたいなんですよね。

 

少し前にSram Redの11速コンポと油圧システムが発表されました。11速化で大幅に出遅れた教訓からか圧倒的に速く油圧システムに対応しましたが、価格や重量などこれからの油圧システム化で必要になってくるデータがてんこ盛りなので、分かり易いようまとめてみます。

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http://www.bikerumor.com/2013/04/15/sram-22-unveiled-all-new-red-force-11-speed-road-groups-tech-weights-first-rides/

何と言ってもまずは重量です。Double-Tapは構造的に非常に軽量で、ワイヤードブレーキの場合は280g程度に収まりますが、油圧システムの場合はマスターシリンダーやリザーバーを内蔵するため重くなるのは当然で、キャリパー+ホース+レバーで326gとなっています。ただし、写真の通りホース長が有り得ない短さなので、実際はフルードの重量も合わせるとかなり増加することは間違いありません。まだユニット重量しかデータが見つからないのが残念です。

前後のブレーキユニットの重量が平均350gとすると、前後で700g、これに上のローターの86gが加わるわけですが、これもボルト6本の重量が抜けているので、その分を足して1枚100gとします。その結果、片側450g、前後で900gとなります。仮にワイヤードレバーと使用したと仮定するとマイナス280g、ワイヤーは重く見積もっても100g程度なので、何と片側で260gもあるキャリパーブレーキを使用しているのと同等となります。

Ciamillo Negative GSL w/ Corima Absolute

実際は250gのキャリパーでも随分重いと思っています。Sub200のキャリパーも多いですし。

キャリパーブレーキを使用した場合、レバー280g、ワイヤー100g、キャリパーは前後で250g程度ですから、合計は630gで収まります。重量面では、やはり油圧システムはワイヤードに比べると大幅に重量が増える事が良く分かります。

 

次に価格ですが、Red 22 Hydraulic Shifter/Caliperが片側$561ドル、HS1 Rotorが1枚$44です。対するワイヤードのRed 22 Shift/Brake Leversetが$625、Red Aero Link Calipersetが$368となっています。つまり、油圧vsワイヤードの価格は

油圧ディスクブレーキ:($561+$44)x2=$1210

ワイヤードキャリパーブレーキ:$625+$368=$993

と、ワイヤードに比べて122%アップとなっています。思ったよりは大きな差ではありませんが、かなり高価であるのは間違いありません。

 

今回の新Red 22の発売から分かる事は、どうしようもない重量差があり、価格はワイヤードより高価になる、という事でした。発売前から懸念していた事ですが、やはり現時点では油圧ディスクブレーキ化するという事はこういったネガティブな面を受け入れる必要があるという事になります。これから開発が進んでブレーキユニットが軽量化されたり、リムが軽くなったりするかもしれませんが、私は基本的にはこの傾向は変わらないと思っています。